ぽんぽんびより

本業は写真家なのに町づくりや震災支援の仕事に巻き込まれてます。

七つまでは神のうち―久しぶりに声に出して叫んだホラー映画―

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Netflixでホラー映画でも見ようと検索してみたら『七つまでは神のうち』というホラー映画があったので見てみた。

 

 

この映画の監督・脚本はあの三宅隆太さんなのである。

三宅隆太さんといえばライムスター宇多丸さんのラジオで映画とかスクリプトドクターとかブルボンとかについて語っているお方で、宇多丸さんのラジオを聞いている人で知らない人はいないのではないかと思う。

 

で、この映画は三宅隆太さんいわくタマフルで話してきた要素を詰め込んだ映画なのである。

「なんだ、猫か…。」とか主観ショットとか心霊映画のカメラワークとかフィクションラインとかジャンルミックスとかカニと修造理論とか色々な要素が詰め込まれているのだ!

 

映画の序盤はジェイソンとかの殺人鬼ホラー映画っぽいのに途中でガラッと雰囲気が変わる。

時間を図ってみたら映画が始まって25分〜30分のところ(1幕から2幕に移る)で、あの日本人形の下りが始まるのである。

もうその日本人形の下り、いや、メリーさんの電話的な下りはほんとに怖く「うぇあ! ぅわわ!」と久しぶりに声に出して叫んでしまった。

2幕から3幕に移ると一気に話が加速し、「ああー、今までの話ってそういうことだったのかー」と観客として納得する。

一連の出来事が終わった後のお見送りの時間も素晴らしい。

「あー、なるほど。俺はこういう映画を見てたのか」と映画を見終わえる。

徹底した復讐劇も素晴らしかった。

物語のラスト、てっきりあの子だけ助かるのかと思いきや一番苦しいやり方で仕返しをするなんて容赦ないな(褒め言葉)と。

おそらくあの時の復讐している側に私が感情移入できたのは、私も親になったからだと思う。

心霊とは人の心から来るものという三宅隆太さんらしい残忍さだった。

 

ネットを見てみると映画の序盤の主人公の行動に対する指摘が書かれているが、私はむしろあの方がリアル感があった。

「いや、そんな隠れ方絶対見つかるでしょ」とか「そんなことより警察に連絡しろ」とか「ええから目隠しとったれよ」とか突っ込みどころはあるが、それらを全部含めて「あー、この子人生でずっと利己的な行動を選択してきたんだな(しかも粗だらけの)」と映画のラストに繋がる伏線になっていたと思う。

 

この映画で惜しいのはそういう物語の粗でもなく、低予算故の特殊効果のヘボさでもなく、2011年に公開したことだと思う。

やはりあの震災の年に公開したのは痛手だったのではないか。

もう少し話題になってもいい映画だったと思うだけに残念。

今はNetflixで見れるのでぜひ皆さん挑戦していただきたい。

 

 

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七つまでは神のうち

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